最新医療情報

妊娠と甲状腺機能検査

2017年4月12日 更新

先月お知らせした米国甲状腺学会「妊娠中および分娩後における甲状腺疾患の診断と治療に関するガイドライン2017」に記された、妊娠希望者、あるいは、妊娠初期にTSH(甲状腺刺激ホルモン)を測定すべき対象者のリストは以下の通りです。

  1. 甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症あるいは甲状腺機能亢進症)の既往、あるいは甲状腺機能異常の症状・徴候
  2. 甲状腺自己抗体陽性、あるいは、甲状腺腫の存在
  3. 頭頚部への放射線照射歴、あるいは、甲状腺手術歴
  4. 30歳以上
  5. 1型糖尿病、あるいは、他の自己免疫疾患
  6. 流産、早産、不妊の既往
  7. 2回以上の経産婦
  8. 自己免疫性甲状腺疾患、あるいは、甲状腺機能異常の家族歴
  9. 病的肥満(BMI40以上)(日本ではBMI30以上か?)
  10. アミオダロンやリチウムの服用、あるいは、最近の造影剤検査
  11. ヨウ素不足の地域に在住(日本には該当しない)

論文(英語)
http://online.liebertpub.com/doi/pdfplus/10.1089/thy.2016.0457

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EPA、DHAサプリメントと心血管疾患の予防

2017年3月17日 更新

−アメリカ心臓協会からの勧告−

2017年3月13日、アメリカ心臓協会(AHA)は心血管疾患予防の目的でのオメガ3(EPA、DHA)サプリメントの投与に関し、複数の無作為化対照試験の結果を基に科学的勧告を公表しましたので、下の表にまとめました。なお、今回の勧告で取り上げられた無作為化対照試験にはわが国で行われたもの(JELIS試験)が含まれていますが、欧米で行われた数々の長期試験ではオメガ3脂肪酸の投与量がわが国での試験の約半量となっています。現在、高用量を用いた複数の試験が欧米で行われていますので、今後、見解が変わる可能性は否定できません。

対象と目的 推奨内容
一般成人での冠動脈疾患予防 不明
糖尿病・境界型糖尿病者での心血管死抑制 投与は推奨しない
心血管疾患の高リスク者での冠動脈疾患予防 投与は推奨しない(妥当とする少数意見あり)
冠動脈疾患を有する患者の再発・突然死予防 投与が妥当
高リスク者での脳卒中予防 投与は推奨しない
脳卒中の再発予防 不明
心不全の予防 不明
心不全患者の入院・死亡抑制 投与が妥当
心房細動の予防 不明
心房細動既往者での再発予防 投与は推奨しない
心臓手術後の心房細動予防 投与は推奨しない

論文(英語)
http://circ.ahajournals.org/content/early/2017/03/13/CIR.0000000000000482

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妊娠と甲状腺機能低下症

2017年3月13日 更新

米国甲状腺学会は「妊娠中および分娩後における甲状腺疾患の診断と治療に関するガイドライン」を改定し、その機関誌Thyroid2017年3月号に掲載しました。ここでは、甲状腺機能低下症に関する部分から抜粋してお知らせします。

妊娠希望者に関する推奨事項

  1. 生殖補助医療(体外受精、顕微受精、凍結融解胚移植)を受ける予定でTSH4〜10 mU/Lの場合: TSH2.5 mU/L未満となるようレボチロキシンを投与する。
  2. 上記でTSH2.5〜4の場合: 少量のレボチロキシン投与を考慮する。
  3. 治療中の甲状腺機能低下症で妊娠希望の場合: TSH正常下限〜2.5に維持する。

妊娠診断後の推奨事項

  1. 抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)または抗サイログロブリン(Tg)抗体陽性で甲状腺機能正常の場合: 妊娠診断後、妊娠中期終了まで毎月TSHを測定する。
  2. 妊娠中でTSH>2.5の場合、抗TPO抗体を測定する。
    レボチロキシンを投与するのは
    抗TPO抗体陽性でTSH>4の場合
    抗TPO抗体陰性でTSH>10の場合
    レボチロキシン投与を考慮するのは
    抗TPO抗体陽性でTSH2.5〜4の場合
    抗TPO抗体陰性でTSH4〜10の場合
    レボチロキシン投与が
    勧められないのは
    抗TPO抗体陰性でTSH<4の場合
    レボチロキシン投与の際の治療目標 
    TSH正常下限〜2.5

論文(英語)
http://online.liebertpub.com/doi/pdfplus/10.1089/thy.2016.0457

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地中海食と脳萎縮予防

2017年2月20日 更新

果物、野菜、豆類、穀物、オリーブ油、魚を比較的多く摂取し、肉を控えめに摂取する地中海食の健康に対する効果はよく知られています。多数の人をエキストラバージンオリーブ油やナッツを多く摂取する地中海食と低脂肪食に無作為に割り付け約4年間観察すると、地中海食を摂取したグループで記憶力や前頭葉の機能が改善することが2015年に報告されています。

今回、イギリスから、70歳代の対象者約560人で、地中海食を摂取している人はそうでない人に比べ、MRI検査で見た3年後の脳萎縮の程度が少ないことが報告されました。

地中海食は脳機能や脳萎縮に対し好ましい影響をもたらす可能性が考えられます。

論文(英語) http://www.neurology.org/content/early/2017/01/04/WNL.0000000000003559.full.pdf+html

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飽和脂肪酸摂取とインスリン抵抗性

2017年1月24日 更新

動物性脂肪の主成分である飽和脂肪酸の過剰摂取は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)やインスリン抵抗性をもたらすことが知られています。本年1月23日、飽和脂肪酸を1回大量に摂取するだけで、肝臓内の脂肪が35%増加し、全身、肝臓、脂肪組織のインスリン感受性が、それぞれ25%、15%、35%低下することが報告されました。

なお、以前に、他の研究者から、10週間にわたって投与した研究で植物油の主成分である多価不飽和脂肪酸リノール酸は飽和脂肪酸に比し、肝臓内の脂肪は増加させず、むしろ代謝状態を改善させることが報告されています。

論文(英語) http://www.jci.org/articles/view/89444

論文(英語) http://ajcn.nutrition.org/content/95/5/1003.full

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