2型糖尿病の薬
体内のブドウ糖の流れ
- 食品のでん粉などの糖質は小腸で消化されブドウ糖などになり、吸収され血液に入り、肝臓に運ばれます。
- 肝臓に入ったブドウ糖は、肝臓で貯蔵されたり血液中に放出されたりします。また、一部は脂肪に変わります。
- 血液中のブドウ糖 (血糖) は全身、特に、脳、筋肉などでエネルギー源として利用されます。
- 膵臓からはインスリンが分泌され、ブドウ糖が筋肉などに取り込まれやすくし、血糖を下げます。
- 夜間などにはグルカゴンの働きなどにより、肝臓から血液中へブドウ糖が放出され、低血糖を防ぎます。
なお、インスリンは肝臓などでブドウ糖を脂肪に変え、グルカゴンは逆に脂肪をブドウ糖に変える働きをしています。
2型糖尿病の薬
いずれも血糖を下げますが、脳血管・心臓・腎臓などに対する効果や副作用は薬によって異なります。単純に血糖を正常化させれば合併症の全てが予防できるとは限らず、薬の使い分けが重要です。
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糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖上昇を抑える薬(αグルコシダーゼ阻害薬)
食直前に服用し、糖質 (炭水化物) の消化吸収を遅らせることで、食後の血糖上昇を抑えます。消化不良傾向になり、排ガス、腹部膨満、下痢などの副作用が出ることがあります。飲み忘れないようにしましょう。
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インスリンを増やす薬
- DPP-4阻害薬:
- GLP-1とGIPというインスリン分泌促進ホルモン (インクレチン) の分解を防ぎ、これらを増やすことでインスリン分泌を軽度にうながします。GLP-1は血糖が上昇しているときだけインスリン分泌を促進し、また、血糖上昇ホルモン グルカゴンを減少させます。この薬だけでは、通常、低血糖にはなりません。
- GLP-1受容体作動薬:
- GLP-1というホルモンはインスリン分泌を促進させ、また、血糖上昇ホルモンであるグルカゴンというホルモンを減少させ血糖を下げます。GLP-1は血糖が上昇しているときだけインスリン分泌を促進します。GLP-1と同じ作用を持つように作られた薬で、これだけでは、通常、低血糖にはなりません。食欲をおさえ、体重を減少させる効果も期待できます。心臓病・脳卒中、および、腎障害の進行を防ぐ効果が期待されています。注射薬です。初期に吐き気が出ることがありますが、次第に慣れてきます。
- 速効型インスリン分泌促進薬:
- 食直前に服用し食後の短時間(2時間程度)インスリン分泌を促進させます。飲み忘れないようにしましょう。まれに低血糖を起こすことがあります。
- スルホニル尿素薬:
- 膵臓を刺激してインスリン分泌を促進させます。長時間作用します。体重が増加しやすくなるため、食事療法が重要です。低血糖(血糖が低下しすぎること)が起きやすいので、使用する場合には最少の量にします。
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インスリンの作用を補助・増強する薬
- インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン系):
- 筋肉や脂肪細胞でインスリンの作用を補助・増量します。脳梗塞の再発を防ぐ効果があります。むくみや、皮下脂肪の増加で体重が増えることがあります。心臓が弱くむくみやすい方は服用できません。塩分やカロリーの制限が重要です。
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インスリンとは無関係に血糖を下げる薬
- ビグアナイド薬:
- 主に肝臓からのブドウ糖の放出を減らして血糖を下げます。薬価も安く動脈硬化予防効果も期待されています。飲み始めの時期に胃腸障害がでることがありますので、徐々に増量します。腎臓、肝臓、心臓・肺に高度の障害がある方、飲酒量が多い方は服用できません。下痢時・嘔吐時、食欲がなく食事がとれない時、発熱時には(副作用が出やすくなるため)服用を中止してください。
- SGLT2阻害薬:
- 血液中のブドウ糖を強制的に尿に出すことで血糖を下げます。飲み始めの時期に若干尿量が増加します。体重が減少します。心臓、腎臓を守る効果があります。腎不全(血液透析導入)予防効果があります。心血管病による死亡率を下げる可能性があります。下痢・嘔吐、食欲がなく食事がとれない時、発熱時には服用を中止してください。尿路・外性器感染症になりやすくなります。
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