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潜在性甲状腺機能異常と認知機能

2016年12月1日 更新

血液中の甲状腺ホルモン濃度に異常をきたす甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症は認知機能障害の原因となることが知られています。一方、血中の甲状腺ホルモン濃度は正常範囲内であるが、TSH濃度が高値の場合潜在性甲状腺機能低下症、TSHが低値の場合潜在性甲状腺機能亢進症と呼ばれ、いずれも軽度の甲状腺機能異常であると考えられています。これらの潜在性甲状腺機能異常症が認知機能の低下と関連しているかについて検討した多数の研究をまとめて解析した結果が米国内分泌学会の機関誌に報告されました。

全体をまとめると、合計16,805人を平均44ヶ月間経過観察した結果となります。これらの研究をまとめると、潜在性甲状腺機能亢進症では、甲状腺機能正常に比し、認知症の発症が67%増加するという結果になりました。一方、潜在性甲状腺機能低下症は認知症や認知機能低下との間に有意な関連を示さないという結果でした。今後、より大規模な調査研究が望まれます。

論文(英語)
http://press.endocrine.org/doi/abs/10.1210/jc.2016-2129

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