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空腹時の血糖変動、重症低血糖と全死亡率

2017年10月2日 更新

心血管疾患や腎障害を有するなど心血管疾患を新たに発症しやすい2型糖尿病患者さんにおいて、インスリン・デグルデクとインスリン・グラルギン(U100製剤)という2種類の持効型インスリン製剤で治療した際に、心血管疾患の新規発症や死亡率、また、重症低血糖の頻度に差がでるかどうかを検討した臨床試験(DEVOTE研究)の結果が報告されました。

2種類のインスリン製剤の間で達成できたHbA1c値、心血管疾患の新規発症、心血管死亡率、および、全死亡率には差が認められませんでした。しかし、重症低血糖(患者さん一人では対応できないような低血糖のこと)の頻度に関してはデグルデクの方がグラルギンの60%と明らかに少なかったとのことです。

論文(英語)
DOI: 10.1056/NEJMoa1615692

なお、2つのインスリン製剤の区別無く全体の患者さんをまとめて解析すると、空腹時血糖値の日々の変動が大きいほど、重症低血糖になりやすく、さらに、全死亡率が高かったとのことです。

論文(英語)
DOI: 10.1007/s00125-017-4423-z

また、重症低血糖自体も、これを経験した人々は経験しなかった人々に比べ全死亡率が2.5倍高かったとのことです。

論文(英語)
DOI: 10.1007/s00125-017-4422-0

これらの研究は、空腹時血糖の変動や重症低血糖と死亡率の因果関係を直接証明したものではありません。しかしながら、治療に際しては、重症低血糖を避け、安定した血糖コントロールを目指すべきと考えられます。

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