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TSHの低値と死亡率・大腿骨骨折との関係
2017年9月25日 更新
血液中の甲状腺ホルモンが増加するとTSH(甲状腺刺激ホルモン)が低下し、逆に甲状腺ホルモンが減少するとTSH値は上昇します。このように、TSH値は甲状腺ホルモンの状態を鋭敏に反映する重要な指標です。最近、米国内分泌学会の学会誌にTSHの低値と死亡率、および、大腿骨頸部骨折との関連がそれぞれ報告されました。
初めの論文はデンマークからで、23万人の住民の中でTSHが正常下限以下の状態が複数回持続していた人々の平均9年間の死亡率を調査した研究です。平均年齢は51〜66歳でした。年齢などで調整すると、TSH低値の期間が6ヶ月存在するごとに死亡率が11〜15%高かったとのことです。これはTSH低値が5年間持続すると死亡率が約2倍になることになります。
論文(英語)
DOI: 10.1210/jc.2017-00166
次の論文は欧米諸国の共同研究で13の研究(合計62,000人)をまとめて解析したものです。対象者は成人や高齢者でした。TSH値が正常範囲内であった人々のうち、TSHが正常下限であった人々はTSHが正常上限であった人々に比べると大腿骨頸部骨折のリスクが約25%増加していたとのことです。
論文(英語)
DOI: 10.1210/jc.2017-00294
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