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2型糖尿病治療薬の選択

2017年1月16日 更新

米国内科学会は本年1月3日、2012年に公表された2型糖尿病の経口治療薬に関するガイドラインを改訂しましたが、従来からのメトホルミンを最初に処方すべきとの考えを堅持しています。メトホルミンは血糖値やHbA1c値をよく低下させ、体重を若干減らし、低血糖を来しにくく、また、安価な薬です。更に、2013年に中国から発表された実験的研究で、冠動脈疾患を有する患者さんに使用するとSU薬に比し冠動脈疾患の再発を減らす可能性が示されています。

2016年4月米国食品医薬品局は腎障害を有する患者さんに対するメトホルミン処方の制限を緩和し、中程度までの腎障害の患者さんに処方ができるようにしました。また、これを受け、2016年5月、日本糖尿病学会も腎障害を有する患者さんへの処方に関する推奨事項を米国同様の内容に変更しました。

また、米国内科学会は同日Duke大学の研究者らによるメトホルミンに関する系統的レビューを公開しています。この論文によると17の観察研究をまとめると、慢性腎障害、心不全、慢性肝障害の患者さんにおいて、メトホルミンの処方は全死亡や心不全入院の減少と関連していたとのことです。

当院では2型糖尿病患者さんに最初に投与する薬としてメトホルミンを重用しています。なお、この薬はきわめてまれに乳酸アシドーシスという重篤な副作用をきたすことがあり得ることで知られています。

論文(英語) http://annals.org/aim/article/2595888/oral-pharmacologic-treatment-type-2-diabetes-mellitus-clinical-practice-guideline

論文(英語) http://annals.org/aim/article/2595889/clinical-outcomes-metformin-use-populations-chronic-kidney-disease-congestive-heart

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